理想の自分と出合う。自分探しの方法が、ここにあります。

「自己変革3つのステップ」

2011年11月26日

常識の虜

 ■生き方を学ぶ物語の紹介   オフィシャルWEBサイトより


  今日は、私が創作した物語をお読みください。



  「おい、ヒトミ!なんだそれは!?」

  サトシは自分の唇を指差しながら、
  高校3年生になる一人っ子のヒトミを叱った。

  「うっせーなー、朝っぱらから。
   いちいち怒鳴るんじゃねーよ!」

  「それが親に向かって言う言葉か!?
   もっと身なりをきちんとしろ。」

  ヒトミはサトシを睨みつけながら、
  食事もそこそこに出かけて行った。

  「まったく、なんてやつだ。
   あいつ、今度は唇にピアスをしていたぞ。
   お前はなぜ注意しないんだ!?」

  怒りの矛先は、妻のユウコに向かった。

  「注意したわよ。だってあの子、
   私の言うことなんかちっとも聞かないのよ。
   あなたはいつも残業とか言って帰るの遅いし。」


  とんだやぶ蛇になりそうな気がして、
  サトシはあわてて会社へ出かけることにした。

  「フーっ、やばいやばい。また帰宅が遅いのを
   咎められるところだった。」

  サトシには、少し後ろめたさもあったのだ。

  帰宅が遅いのは残業ばかりではなく、
  付き合いだと言って飲んで帰ることが
  多かったからだ。


  自宅を出て駅に向かう途中で、
  いきなり空から眩しい物体が降りてきた。

  「なんだあれは!?」

  声を出す間もなくサトシは、
  まばゆい光線の中に包まれた。

  そして段々と気が遠くなり、
  いつしか気を失ってしまった。



  ふと目が覚めると、サトシは大勢の人に
  取り囲まれているのがわかった。

  眼の前の男は、不思議そうな顔をしながら、
  サトシの顔を覗き込んでいた。

  「いったい、ここはどこなんだ?」

  そうつぶやきながら、サトシは体を起こした。


  すると目の前の男が言った。

  「お前、どうしてピアスをしていない?」

  いったい何を言っているのか、
  サトシにはわからなかった。

  「どうしてピアスをしないのかと
   尋ねたのだ。答えろ!」

  男の強い口調に促されて、サトシは答えた。

  「あのー、えー、だって普通、
   男はピアスしないでしょ。」

  そう答えながら目の前の数人を見ると、
  みなピアスをしているのだった。

  耳だけではなく、唇に、鼻に、舌に、まぶたに。

  「オレはいったい、どこへ来たのだろう?」

  サトシは段々と不安になっていった。


  眼の前の男は、哀れそうな顔になって言った。

  「お前は本当に常識のないヤツだな。
   男はみんな、ピアスをするもんだよ。
   ほら、周りの連中を見てみるがいい。」

  そうは言われても、サトシは納得できなかった。

  「だってピアスなんて不要だし、
   そんなことで目立ってどうするんだい?」

  目の前の男は、さらに哀れんだ様子で言った。

  「本当にお前はバカだな。
   ピアスの穴を開けるのは、
   痛さに耐える強さの象徴だ。
   だから、多ければ多いほどいいし、
   大きければ大きいほど良い。
   男なら当然だろう?」

  「それに目立たないでどうするんだい?
   目立たないということは、
   いないのと同じじゃないか?」

  別の男が割り込んで、そう言った。

  サトシは、答に窮してしまった。


  その後も、取り囲んだ男たちは
  サトシに罵声を浴びせた。

  「役立たず!」「意気地なし!」
  「それでも男か!?」

  悔しかったが、気持ちは言葉にならなかった。

  ただただ、逃げ出したくてしょうがなかった。


  そのときまた、例のまばゆい光線が
  サトシの頭上から降り注いできた。

  そしてサトシの体全体を包んだかと思うと、
  また段々と意識が遠のいていった。



  ふと気がつくと、
  サトシはベッドの上に横たわっていた。

  枕元の目覚まし時計が、
  「早く起きろ!」とばかりに鳴っている。

  「あれは夢だったのか?」

  そう思いながらベルを止めると、
  サトシは起き上がって身支度を整えた。


  リビングへ行くと、
  ユウコが朝食の準備をしていた。

  ヒトミはすでに食べ始めている。

  いつもながらの、我が家の朝だった。


  ふと、ヒトミの唇に
  ピアスが輝いていることに気づいた。

  それを見た時、なぜか怒りよりも
  笑いが込み上げてきた。

  「ヒトミ、唇にピアスをつけたんだな。
   それ、強さの象徴らしいぞ。」

  そう言って笑うサトシを見て、ヒトミが言った。

  「アッタマ、おかしいんじゃねえの?」

  「なあに、目立つのはいいことだよ。
   目立たなかったら、
   存在する意味がないものなあ。」

  サトシのその言葉を聞くと、ヒトミは
  自分の頭の上で指をくるくる回して見せた。

  「あいつ、今日変だぜ。じゃあ行ってくる。」

  そうユウコに対して言うと、
  ヒトミは学校へ出かけて行った。


  ユウコは、サトシに向かって言った。

  「あなた、大丈夫?」

  サトシは答えた。

  「ああ、大丈夫だよ。
   常識なんて、いろいろだからなあ。」

  「よくわかんないけど、まあいいわ。
   そんな風に穏やかな感じのあなたを見るのは、
   本当に久しぶりだから。」

  ユウコは嬉しそうにそう言うと、
  サトシの前に目玉焼きの皿を置いた。

ラベル:物語 常識 価値観
posted by ジャンメダイ at 19:06| Comment(2) | メルマガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
とにかく、「そうなんだ!」と思いました!自分の「常識」を覆せたような気がします!すごい物語ですね!
このサイトを作った、このサイトの主人の方に感謝しています。
Posted by 晴れ at 2011年12月29日 03:31
晴れ さん。コメントをくださって、ありがとうございます。

楽しんでいただけましたか?
ほんのちょっとでも役に立ったと思っていただければ、何よりの幸いです。
今後もどうぞ、よろしくお願いしますね。
Posted by ジャンメダイ at 2011年12月29日 11:03
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